誰か、鼻水を殺せるスナイパーはいないか?
さて、なぜかこれをふと思い出したので書いとこうと思う。
僕は小学1年生のときは埼玉の小学校にいた。そのあと東陽町に移って3年前までいたわけだが、この1年生の時に一番仲の良かった親友は
ポルトガル人のディエゴだった。
彼はその時4年生。サッカーがかなりうまかったのを覚えてる。とにかく遊びに遊んだ。どじょう、ザリガニ、虫を捕まえに野原、川、どぶにさえ
宝物を探すようにでかけた。
ディエゴの家ではゲームして、ディエゴのお母さんはいつも何か分からない言葉を彼に言っているのも聞いてたりした。(お母さんポルトガル人) けんかもした。何度もした。笑っては泣いての繰り返し。
そして、とうとうお別れの日が来てしまった。東京に引っ越さなくては行けない。僕は今まで7回ぐらい引っ越しを経験しているが、
一番つらい引っ越しはそれだったかもしれない。
どしゃぶりの夜だった。
たしかおれはその数日前にディエゴと喧嘩していて会いにいくのが気まずかった。“もう会えない”というよくわからない感覚と向き合いたくなかったんだと思う。
車に乗って出発する時だ。たしかお母さんに“ほんとに良いの?”って何度も聞かれたような気がする。
雨は降り続けた。
だけどディエゴはやってきた。傘をさしながら、いつものディエゴがやってきた。
おれはドアを開けて名前を呼んだ。
もうあの時の会話を覚えてはいない。だけどそこには言葉を超えた、もっと大切な魂の共鳴があったんだ。
その後。
ディエゴはポルトガルに帰ったとハガキで連絡が来たのをお母さんから聞いた。自分がまだ小学生の頃だったと思う。
ふとしたきっかけ。ひとつの思い出。