とうとうチコにも雨が降り始めました。
乾いた夏の間には何度思ったか知れないけれど実際その日がやってくるとほんのり切ない気持ちは訪れるのです。
残り2ヶ月でここを離れるということがあまりに多くのこととの別れだと気づくわけです。そんな感動的なことじゃないでしょ、と心の底で思ってたと思ってました。けどそこよりさらに深い隅っこで、寂しさはこじんまりと膝を抱えていたのでした。ぼくが彼に気づいてしまった時から1日1日が追憶の中を生きているようで、未来のぼくが過去の自分を覗いている世界を生きている感覚。はっきりしていてぼやけている不思議な感覚。
あまりに多くのことから分かれなくては行けません。きっと女性と別れるときもこんな気持ちなんでしょう。ぼくが離れるのは対象物だけではないからです。1つの空間を失うということは自分が直接関わった時間の空白を作ります。時間と空間の両方が自分から消えてしまう。しかしそれは時を超えていける心の中で永遠に生き続けられます。ぼくは今準備をするための時間軸と空間軸が交差する点、“未来の過去”にいることを、普段は意識が薄れているこの領域に常にいるのだとひしひし感じているのです。雨と冬は僕に人間を見つめなおすことを勧めてくれている。ありがとうと言いたい。
こうなると友達を作ることもなんだか寂しいことのように思われもします。けど作ることをやめないでしょう。そういう“時”なんだと感じます。
おそらく一生という時のこと。
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